HOYAの成長戦略 メガネレンズ事業の成長の可能性

米国市場は成長ドライバーであり、大きな可能性を持っています

執行役
ビジョンケアカンパニー プレジデント
Girts Cimermans

2016年度の業績

2016年度の業績は好調でしたが、当社のポテンシャルとして、さらにその上をいくことができたと考えています。2016年度における成長の最大のけん引役は北米であり、中でも1つの国として、当社最大のアイケア市場である米国では、買収による増加分を除いても約8%の伸びとなっており、カナダでは二桁台の成長を遂げました。

欧州は、地域として当社最大の市場であり、激しい競争の中でも安定した成長を実現することができました。この2年間、営業チームの効率化に注力し、セールス、管理、顧客関係管理(CRM)の統合的プログラムを欧州全域で展開してきた成果が出ています。

主要市場のトレンド

米国では、プライベート・エクイティ・ファンドによるオプティカル・セグメントへの進出により、小売において大規模な統合が進んでいます。当社の顧客である小売企業に貢献する、という当社の戦略に忠実である限り、小売の大規模な統合において、メリットを享受することが可能であると考えています。欧州は、2、3年前の米国と似たような状況にあり、やはりプライベート・エクイティ・ファンドが進出を始めています。

アジア・オセアニア地域においては、中国とオーストラリアを重要な市場と捉えています。この2カ国の売上高は、市場成長を上回るペースで拡大しており、見通しもかなり明るいと言えます。現在は、成長を維持・加速させる組織体制を構築中です。

消費者が各シチュエーションに合わせて異なるアイウェアを持つようになったことから、アイウェアの用途は多様化する傾向にあります。そのため、当社が重点を置いているのは、いわゆる「ライフスタイル・コンセプト」です。今後は、消費者の発言力が増すことが予想されることから、製造、技術、品質における当社の強みに加え、マーケティング、消費者へのエンゲージメント、ブランディングなどの各戦略の強化を行っていきます。

製造および研究開発

当社の強みの中でも、製造と研究開発の2分野が特に重要な部分です。製造に関しては、リードタイムの短縮に注力いたしました。グローバルな取り組みとして、リードタイム4日間を目標としており、日本の主力製造拠点とタイでは、48時間リードタイムプロジェクトを実施しました。結果として、当社のレンズの3分の2以上は48時間以内に出荷されています。

研究開発に関しては、画期的な新製品の1つとして、視力補正を中心にした世界初のオーダーメイド3Dアイウェア「Yuniku(unique)」があります。最新のソフトウェアが、ユーザーの目に合わせてレンズの理想的な位置を割り出し、これらのパラメーターを基にフレームを3Dプリントします。欧州では2016年に発売を開始しており、今後、他の市場にも順次投入する予定です。

米国における成長機会

当社の米国での市場シェアは、他の地域におけるシェアと比較して低いため、業績の拡大を図る機会があると捉えています。中小独立系小売店セグメントにおける市場シェアを高めるため、今後も、消費者と当社の結びつきを強化するための施策を実施し、魅力的で価値のある提案を行っていきます。チェーン店については、今後の連携に向けてどのような点で協力できるかを含め、協働関係を検討していきます。

以上のオーガニック成長のための施策に加えて、成長を加速させるために、Performance Optics社を買収しました。米国での成功には、ポリカーボネートレンズ(polycarbonate lenses)、偏光レンズ(polarized lenses)、フォトクロミック技術(photochromic technology)の、いわゆる「3P」を備えていなければなりません。3Pの最初にポリカーボネートレンズを挙げるのは、米国や中南米の大部分において、頑丈かつ壊れにくいポリカーボネートレンズが使用されているためです。2番目の偏光レンズには眩しさの軽減、3番目のフォトクロミック技術には、紫外線を当てるとレンズが反応し、黒くなる性質があります。Performance Optics社は、これらの技術を保有しており、素晴らしいM&Aであったと考えています。

Performance Optics社は、ポリカーボネートレンズ、偏光レンズ、そしてこの2つのレンズ周辺のさまざまな技術ソリューションに特化した、堅固な研究開発チームを保有しています。また、HOYAが、米国の中小独立系小売店セグメントにおいて競争優位性を持つ一方で、Vision Easeは、チェーンのセグメントにおいて強みを持ち、両社の統合はまさに最適な組み合わせであると考えています。

今後の見通し

当社の今後の見通しは、非常に明るいものと考えています。強固な財務体質と高いキャッシュ創出力が、さらなる研究開発やM&Aの遂行、高品質な製造能力と迅速なデリバリー能力の発揮を可能にし、これらが、我々の目指す消費者の多様なライフスタイルに合わせた多様な商品の提供という目標の実現を可能にすると考えています。