財務報告

HOYAグループと連結範囲の状況

当社グループは、当期末現在でHOYA株式会社および連結子会社122社(国内11社、海外111社)ならびに関連会社8社(国内4社、海外4社)により構成されています。

情報・通信およびライフケアの各事業部門が、それぞれの責任のもと世界各国に展開する子会社を統括する経営管理体制をとっており、米州・欧州・アジアの各地域の地域本社が、国・地域とのリレーションの強化、法務支援および内部監査などを行い、事業活動の推進をサポートしています。また、欧州地域本社(オランダ)にはグループのフィナンシャル・ヘッドクォーター(FHQ)を置いています。

国際会計基準の適用

当社グループでは、2011年3月期から会社計算規則第120条第1項の規定により、国際会計基準(IFRS)に準拠して連結計算書類を作成しています。これに伴い、事業別の概況における報告セグメントについても、IFRSに基づき、「情報・通信」事業、「ライフケア」事業および「その他」事業の3つの報告セグメントに区分しています。

「情報・通信」事業では、半導体や液晶、HDDなどのエレクトロニクス関連製品およびデジタルカメラ用レンズなどの映像関連製品を取り扱い、「ライフケア」事業ではメガネレンズ、コンタクトレンズなどのヘルスケア関連製品および眼内レンズ、内視鏡などのメディカル関連製品を取り扱っています。「その他」事業は、主に情報システムサービスを提供する事業です。

2017年3月期の業績について

グラフ:売上収益
グラフ:税引前当期利益/親会社の所有者に帰属する当期利益
グラフ:利益率
グラフ:収益率
HOYAグループの売上収益は4,789億27百万円と、前期に比べて5.3%の減収となりました。利益については、熊本地震の災害関連損失に加えて、前期は42億70百万円の固定資産売却益を計上したこともあり、当期の税引前当期利益は1,107億95百万円、当期利益は868億52百万円となり、前期に比べてそれぞれ7.0%、6.9%の減益となりました。
売上収益税引前当期利益率は23.1%となり、前期の23.6%より0.5ポイント低下しました。

ライフケア事業の売上収益は3,144億42百万円と、前期と比べて2.6%の減収となりました。セグメント利益は円高影響により、547億18百万円と、同5.2%の減益となりました。
メガネレンズについては、日本市場では、小売市場縮小の影響を受けて、当社の売上高も伸び悩んでいます。海外市場においては、米州にて強い成長を継続していることに加え、欧州、アジアにおいても、現地通貨ベースで安定的に伸長していますが、為替の円高影響が大きく、全体では前期と比べ減収となりました。
コンタクトレンズについては、専門小売店「アイシティ」の新規出店および既存店におけるプロモーション強化に継続して取り組んでおり、前期と比べ増収となりました。
医療用内視鏡は、米州において売上高が改善し、現地通貨ベースで増収に転じました。欧州、アジアにおいても、新製品の貢献と販売力の強化により、現地通貨ベースで売上高が伸長していますが、為替の円高影響が大きく、全体として前期と比べ減収となりました。
白内障用眼内レンズは、日本市場において昨年度に発売した新製品の販売が、引き続き好調に推移しています。また、海外においても、直販および代理店向けの販売がともに堅調に伸長しており、前期と比べ大きく増収となりました。

情報・通信事業の売上収益は、1,606億17百万円と、前期と比べて10.1%の減収となりました。セグメント利益は、熊本地震に関する災害関連損失の計上に加えて、前期に32億73百万円の固定資産売却益を計上したこともあり、545億7百万円と、前期に比べて16.8%の減益となりました。
当社の半導体用マスクブランクスは、先端品における活発な研究開発需要を取り込んだことで、為替の円高によるマイナス影響を吸収し、売上高は前期と比べ増加しました。
半導体用フォトマスクについては、2016年4月発生の熊本地震により熊本工場の閉鎖を決定したことで生産能力が減少し、売上高は前期と比べ減収となりました。
液晶用フォトマスクについては、スマートフォンパネル向け中小型マスクの高精度・高解像度化に向けた研究開発需要や、TVパネル向け大型マスクの4Kや大画面化に向けた研究開発需要が一段落していることに加え、熊本工場の閉鎖により生産能力が減少した影響が続いたため、売上高は前期と比べ減収となりました。
ハードディスク用ガラスサブストレートについては、総需要の減少トレンドが一段落していることに加え、当社の市場シェアが拡大したことで、現地通貨ベースで増収となりましたが、為替の円高影響により、売上高は前期と比べ減収となりました。
映像関連製品については、デジタルカメラ市場では引き続き市場の縮小が継続しています。そのような中、監視カメラや車載カメラなど新しいアプリケーション向け製品の販売拡大に努めていますが、全体としてはデジタルカメラ向けの減少を補うには至らず、これに円高影響も加わり、売上高は前期と比べ減収となりました。

(製品ごとの業績については、Business Overviewをご一読ください)

財産の状況

グラフ:資産合計/親会社所有者帰属持分
グラフ:親会社所有者帰属持分比率
当期末では、総資産は前期末に比べて205億76百万円増加し、6,595億83百万円となりました。非流動資産は、8億23百万円減少し、1,642億63百万円となりました。これは主として、のれんが50億88百万円、無形資産が100億95百万円増加した一方、有形固定資産(純額)が50億22百万円、長期金融資産が84億63百万円、繰延税金資産が18億31百万円減少したことによるものです。なお、長期金融資産の減少は主に流動資産への振替によるものです。

流動資産は、213億99百万円増加し、4,953億21百万円となりました。これは主として、売上債権及びその他の債権が54億28百万円、その他の短期金融資産が68億4百万円、現金及び現金同等物が105億59百万円増加したことによるものです。なお、その他の短期金融資産の増加は主に非流動資産からの振替によるものです。

資本合計は、172億31百万円増加し、5,154億5百万円となりました。これは主として、資本の控除科目である自己株式が278億17百万円増加したことによるものです。

親会社の所有者に帰属する持分合計は176億22百万円増加し、5,108億87百万円となりました。

負債は、33億45百万円増加し、1,441億78百万円となりました。 当期末の親会社所有者帰属持分比率は77.5%となり、前期末の77.2%から0.3ポイント上昇しました。

キャッシュ・フローの状況

グラフ:キャッシュ・フロー当期末における現金及び現金同等物は、為替変動による影響額△53億7百万円を含め、前期末に比べ105億59百万円増加し、2,968億51百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,076億62百万円(前期比242億27百万円収入減)となりました。これは、税引前当期利益1,107億95百万円(前期比83億4百万円収入減)、減価償却費及び償却費297億77百万円(前期比37億47百万円収入減)、売上債権及びその他の債権の増加額55億28百万円(前期比82億69百万円収入減)、仕入債務及びその他の債務の減少額8億59百万円(前期比12億15百万円支出増)、支払法人所得税266億14百万円(前期比34億8百万円支出増)などで資金が減少したことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、275億7百万円(前期比123億46百万円支出増)となりました。これは、投資の売却による収入58億18百万円(前期比56億89百万円収入増)で資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出215億28百万円(前期比33億44百万円支出増)、子会社の取得による支出63億60百万円(前期比45億68百万円支出増)、事業譲受による支出61億93百万円(前期比60億82百万円支出増)などで資金が減少したことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、642億89百万円(前期比972億30百万円支出減)となりました。これは、支払配当金294億47百万円(前期比20億48百万円支出減)、自己株式の取得による支出350億7百万円(前期比951億45百万円支出減)などによるものです。

設備投資/減価償却費等

当期の設備投資額は、全事業・グループ合計で228億63百万円となりました。前期に比べて25億35百万円増加しております。

当期は、情報・通信事業への投資が102億2百万円と全体の44.6%を占め、ライフケア事業への投資が125億12百万円と全体の54.7%となりました。

グラフ:設備投資/減価償却費等

これらの所要資金は、自己資金にて賄っています。

当期における設備投資については、情報・通信事業において、主に半導体および液晶関連製品における高付加価値品の製造設備への投資を行いました。

ライフケア事業については、主にメガネレンズにおいて、生産工場における能力増強と最適化を目的とした投資を行いました。また、白内障用眼内レンズにおいて、前期のはじめに上市した製品の売上が伸長しており、その需要増加に対応するため生産能力増強を行っています。

当期の減価償却費及び償却費(減損損失を含む)は、前期に比べて12.7%減少し、301億11百万円となりました。

剰余金の配当等の決定に関する方針

当社は、グローバルに事業を展開するとともに、事業ポートフォリオを時代・環境の変化に即した形に変えていくことで、HOYAグループの企業価値の最大化を目指しています。

資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としています。

また、株主の皆様からお預かりした資産を使ってどれだけ利益を上げたかという資本効率重視の経営はもとより、さらに一歩踏み込んで、会社が生み出す利益が株主の期待収益である資本コストをどれだけ上回ったかという、株主価値重視の経営(SVA=Shareholder Value Added:株主付加価値)を推進し、企業価値の最大化を目指しています。

将来の成長のための内部留保については、成長分野におけるシェア拡大、未開拓市場への参入、新技術の育成・獲得のための投資に資源を優先的に充当してまいります。既存事業の成長に加え、事業ポートフォリオのさらなる充実のためのM&Aも積極的に可能性を追求してまいります。一方、安定収益事業と位置付けている「情報・通信」分野においては、競争力の源泉となる技術力のさらなる強化のための設備投資ならびに次世代技術・新製品の開発に向けた開発投資を継続してまいります。

グラフ:1株当り配当金/連結配当性向

株主還元につきましては、当期の業績と内部留保の水準、ならびに中長期的な資金需要および資本構成などを総合的に勘案し、余剰な資金については、「配当」や「自己株式取得」などを通じ積極的に株主に還元することを基本としています。

配当金につきましては、すでに実施済みの中間配当金1株当たり30円と合わせまして、年間配当金は1株当たり75円とさせていただきました。連結配当性向は33.8%となりました。

また上記の考え方に基づき、当期において、合計300億円の自己株式取得の決議を行いました。